肥料のこと           

化学肥料と有機肥料と堆肥

肥料の有効成分は、主に窒素、リン酸、カリです。

 化学肥料はその三要素を化学反応によって合成したり、その三要素を単独に含んでいる化学肥料を混合したりしてつくられます。
 リン鉱石を硫酸、塩酸、または硝酸で溶解してつくるリン酸液を主体にしそれに窒素成分のアンモニアや尿素を反応させ合成同時にカリ成分を合成してつくられます。したがって硫酸態、塩素態、硝酸態という風に三種類にわけられます。
 一般に農家では、高度合成肥料として、窒素、リン酸、カリが15%−15%−15%ずつふくまれたものや、14%−14%−14%位含まれたものが多く使われています。もっとも作物や、土壌によって、その必要とする成分がことなりますので、じつ多くの成分比率の肥料が販売されています。
 比較的有効成分の含有比率の低い8−8−8位のものも多く使われますが比率の低いものは、たとえば、硫酸アンモニウム(硫安)、塩酸アンモニウム(塩安)、硝酸アンモニウム(硝安)などを窒素原料とし、カリ源としても硫酸、塩酸、硝酸とカリの化合物を使われます。

 いずれにしても、硫酸や塩酸、硝酸といった酸性の成分を使用しており、製品にSO3、Cl,NO3等がふくまれていますので、有効成分が作物に吸収された後の土壌は、酸性が強くなってしまいます。作物の多くは酸性土壌をきらいますので、土壌を中性に近づけなくては次の作物をつくる時の条件が悪くなってしまいます。
 そこで、土壌改良剤として、アルカリ性の強い消石灰、苦土石灰、等を土壌に混入することで、土壌を弱酸性に調整します。ここで注意しなければならないのは、石灰とSO3が化学反応して出来るものが石膏であること、石灰とCLが反応して出来るものは塩化カルシウムであることです。つまり土壌を堅く固まらせてしまうということです。

肥料の効果スピード

 施肥してみてすぐにわかることですが、化学肥料は早く効果があらわれます。特に窒素肥料(硫安など)を施肥しますと、作物が目に見えて生長することがわかります。それに比べると有機肥料はすぐには効いてきているようには見えません。それはそうです。有機物が発酵したり、虫に食べられて糞尿になったりさらに土中の微生物に分解されて始めて作物に吸収されるわけですから、施肥してから何日もかからないと作物に吸収される形にならないからです。そこで追肥には化学肥料か、有機肥料の場合は液肥にして吸収されやす形でつかわれます。

 化学肥料と有機肥料を混合した有機入り化学肥料というものがあります。速効性と遅効性をまぜて比較的長い間肥料効果を期待するものです。有機分が混合されているということは作物に対する効果と同時に、土のなかの生物に食料をあたえているわけですから、土(土中の生物を含む)に力を与えていることにもなります。

 有機肥料をやっていれば酸性にならないと言うわけではありません、比較にならないくらいその度合いが低くですみます。たとえば15−15−15という化学肥料は、窒素、リン酸、カリの有効成分は全部で45%になりますが、残りの55%はSO3、CLなど土を酸性にしてしまう成分です。(CLは作物に吸収される部分や地下水に流れでる部分も当然ありますのでその全てというわけではありません)

有機肥料に少ないカリ成分

 カリ成分は主に根の成長を助長しますが、カリ成分を補給する肥料が、有機肥料では化学肥料と比べて遙かに少ないのが現実です。代表的な有機のカリ肥料は草木灰やヤシ灰ですが、灰ですので仮に1トンの草を灰にしたところで一体どれだけの草木灰がとれることでしょうか?さらに草木灰に含まれるカリ分はわずかに5%ほどしか無いのです。代表的な有機肥料の油かすや、大豆カスなどでも1%くらいしか含まれておりません。(もっともそれらを灰にしてしまえば比率はぐっと多くなるわけですが、その他の成分が燃焼して失われてしまいますので経済的ではありません)その点化学肥料からは塩化カリ、硫酸カリ、硝酸カリなど容易にカリ分を補給することができるます。
 
 焼き畑農法というのが古くからありますが、山を焼いてできる灰が作物をつくる為のカリの原料であったことは間違いがないでしょう。水田で収穫の終わったあと稲わらを焼いていますが、あれはわらを捨てる場所が無くて焼いている訳ではなく、田にカリ分を補給しているのです。

合理的なたい肥、

 作物は、肥料ばかりではなく、水、太陽光、空気(炭酸ガス)で光合成を行って、自分自身を成長させ、実をつけ、葉を茂らせます。つけた実は人間にとられてしまいますが、その幹や葉は残ります。その残された幹や葉をもう一度土壌にかえしてやろうと言うのが、たい肥の考えです。
土壌から出来たものを土壌にかえし、とった実の分だけ外から肥料を追加してやれば土はまったく痛まないということでしょうか?無肥栽培を提唱される方もいます。

 食べ物の残りををたい肥化して施肥するというのは有機肥料を施肥するのと同じですので、ここでいうたい肥の考えとはちょっとちがいます。
 
 有機肥料で不足しがちなカリ分も、作物の生長に使用したカリ分を出来るだけ土にかえすという考えでたい肥をつくりますが、カリ分だけを残しその他成分は施肥でという考えで行うのが、灰にして残成分はなくなってしまいますが、草木灰を作ったり焼き畑ということになります。田でも穂だけ刈ってあとは全部田に戻すことにしたら、施肥量もぐっと減るのでしょうが、その他の要件もありますので、そういうわけにはいかないのでしょう。

有機栽培、低農薬

 有機栽培が時代の脚光を浴びています。いかにも化学肥料がいけなくて有機肥料が良いように聞こえてまいりますが、私的にはちょっと異論があります。
 化学肥料を沢山使って、土が酸性になったり、堅くなってなってしまって、畑の土を替えなくてはいけなったら、替えればよいと思います。それも農家の仕事ですし、そこにくるまでに経済的に優位な生産ができたことも間違いないでしょう。農薬を多用して、土中の虫までも殺してしまうことの方が問題です。
 昨今ある作物から人が昔は吸収できたのに、今は出来なくなったものがある、などといわれることがありますが、それも、肥料化学の研究がまだ未成熟な為で、進歩がもう一歩先に行けば解決されることでしょう。添加すれば良いのです。化学肥料の歴史などはまだまだ浅く将来解決される問題はいくらでもあることと思います。
 
 人がその作物から得るべき成分の研究が未発達であったため、主要三成分さえ入れて入れておけば、作物を大きくして実をつけさえすれば良しとしていたのが最初の化学肥料の考えであったように思います。化学肥料には主要成分しか入れなかったため人が本来その作物から摂取できる成分に不足するものができてしまって、形ばかりの栄養バランスが悪くなってしまった作物といわれるものが、増えてしまったように思います。そこに有機肥料という主要成分と、あとなんだか解らないが成分ふくまれた、あるいは、一度他の生物の介入を受け吸収されるときにはどんな形で微量成分が含まれていくのか解らない形態の肥料が再登場し脚光あびているように思います。
化学の発達は必ずよりよい化学肥料をつくってくれると、期待しています。

重要な問題は農薬です。

農薬を使わずに作物を作る事は非常に困難です。残留しないとしていても、完全にゼロは不可能な事ですし、残留農薬が人の体に悪影響を与えることは必定です。虫を殺して、人に影響の全く無いものなどありえないでしょう。家庭菜園の野菜の葉が虫に食害されているのをじっと我慢するのか、薬を散布して虫を殺すか大いに悩むところです。この葉っぱが自分の口に入ることを承知で、その葉っぱに農薬を散布するか、葉っぱが食われるより早く大きくなってくれることを待つか、はたまた、芯だけになってしまうのじっと見ているか・・・・・・

余談ではありますが

 塩素の入った肥料をつかってできた作物や稲のわらを野焼きするのは、ダイオキシンが発生していることは間違いないと思われるので、いかなものかと思います、たい肥化で処理すべきではないでしょうか?
役所では農家の野焼きは特例として認めているようですが、一般の工業者と比べてひどい差別的な優遇だと思います。

私共で販売している肥料

 こんな提案をいたします。
農園のご希望によって、有機肥料や、化学肥料、単肥を調合して販売したいと考えています。
法律によって、肥料として販売するものは全て届け出が義務付けられています。
ところが、農園によって、栽培する作物によってまた施肥する時期によっても最適な肥料は違っているはずです。肥料メーカーとしては届け出での義務があるために多くの品種の用意する必要があったり、それぞれに包装資材(登録NOを記入した袋)を用意しておかなければならない為、多用なニーズには対応できません。
そこで、私どもではユーザー指定による配合で、登録済み肥料だけをつかった混合肥を受託生産をしたいと考えます。

ご興味がございましたら是非連絡をいただきたいとおもいます。

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